この店には決まったメニューはありません。予約をいただくごとに、そのお客様に合わせて考え、食材も選んでいきます。お客様一人ひとりのために全力で料理を作るという姿勢は、ずっと変わっていません。1年2ヵ月にわたり、フランスのレストランで働いたことが、さらに調理師としての幅を広げてくれました。日本とは異なる風土、違う食材、味付け、盛り付け…すべてが新鮮であり、フランス人の調理に対する気迫や情熱に大きな刺激を受けました。言葉の壁に苦しみながらも、現地の調理師たちと楽しく交流ができたことも貴重な経験です。何よりフレンチの本場のシェフから、仕事の丁寧さとスピードをほめられたことが、自信につながりました。今後も料理への探求心を持ち続け、新たなメニューにも挑戦していきますが、あくまでも自分のベースはフレンチ。お客様に喜んでいただくために、どこよりもおいしいソースをご提供したいのです。そして、シェフという立場になった今は、店の顔として、自分に会いに来てくれるお客様が一人でも増えるように、人間としての魅力を磨いていきたいと考えています。